ウェルカムボード
札幌 家
※
流血表現あり。
一章 運命の石
000:煩い
※
:澄んだ瞳から一筋の泪が頬を濡らす。
001:訣別
:何か微量の感情が其処に在った。
002:時雨
:漆黒の闇に無数の蝋燭が立ち並ぶ。
003:皮肉
:ふたつの月は其の端を微かに交えて皓々と輝いていた。
004:嘘
:低く深くよく響くが、艶めいたものは一切感じさせない声だ。
005:誓い
※
:石の壁を無数の名前が埋め尽くしていた。
006:双月
:不快ではないが、偶に恐い。
007:朝食
:風に乗って、一つの会話が耳に届く。
008:奇怪
:「紅茶のお代わりは?」と丁寧に聞く。
009:戯
:其れでいて静かで感情を制御した声。
010:再訪
:其の後にふっと思考を巡らせて、にたりと笑う。
011:大切な
※
:其れだけではいけないのか。
012:立場
:郁方のポケットにナイフを滑り込ませた。
013:密談
:間違ってるじゃないか。何もかも。
014:不意
:拷問室の場所も知らないくせに。
015:矛先
:自分の中の一瞬の動揺を必死に抑えこんだ。
016:神話
:この喉に宿る熱を、
017:序曲
:唯黙々と、世界を見据えるばかりだ。
018:互
:崩れてしまうと解っているのに、頼りたくなる。
019:騎士
:答えることも叶わないだろう。